中国人一家

皆さんは最近、どこかお店に寄った時に「UnionPay(ユニオンペイ)」もしくは「銀聯」というワードを耳にしたことはありませんか?

おそらくですが、「なんか聞いたことある」という方は多いのではないでしょうか?

実はこれ、中国発の国際ブランドなんです。VISAやJCBをイメージしてもらえれば分かりやすいと思います。

「聯」という漢字は連合の「連」という意味で、銀聯(ぎんれん)と読みます。

今回の記事では、そんな銀聯カード(UnionPay)について解説していきます。

銀聯カードは飛ぶ鳥を落とす勢いで世界中に広がっているので、中国やアジア圏に行く機会がある方も、そうでない方も必見です。

銀聯カードとは

紙に書かれたはてなマーク

銀聯カードとは中国の金融会社「中国銀聯」が運営する決済手段のことで、国際ブランドしてはUnionPay(ユニオンペイ)と呼ばれています。

厳密にはUnionPayブランドの決済を利用できるキャッシュカードやクレジットカードが銀聯カードなのですが、「UnionPay」=「銀聯カード」と覚えておけば大丈夫です。

中国では現金よりも、銀聯カードやスマートフォン決済を使ってお買い物をするのが一般的

そのため中国国内での銀聯カードの認知度は、なんと100%という驚異の数字をたたき出しているほどです(汗)。

銀聯カードの年間決済額や発行枚数

グラフ

UnionPayは元々、中国国内でしか使われていない決済ブランドでしたが、発行枚数や総決済額の勢いから今や6つ目の国際ブランドとして世界中に浸透しつつあります。

2018年現在、銀聯カードは世界総発行枚数約70億枚にも及んでいるそうです。

ただし、この発行枚数は全てがクレジットカードというわけではなく、銀聯ブランドとして発行されたデビットカードも含まれています

さて、それでは詳しく見ていきましょう。

2018年時点の銀聯カード(UnionPay)データ
2017年の総決済額93兆9千億人民元(約1,630兆円)
利用可能な国と地域168の国と地域
発行可能な国と地域48以上の国と地域
総発行数約70億枚(クレジットカードは5億枚)
中国内の加盟店2,000万店以上
中国以外の国の加盟店(日本含む)2,000万店以上
日本国内の加盟店67万店以上

上記を見てみると、感覚が麻痺しそうな桁ばかりが並んでいますね(笑)。

中国銀聯の子会社「銀聯国際」によると、銀聯カードの総決済額は2015年に初めてVISAを抑えて世界トップになったそうです。

確かにこれだけの規模になると、世界も国際ブランドとして認めないわけにはいかないのでしょう。

中国で発行されているのは、ほとんどがデビットカード

カードを持つ男性

実は中国で使われている銀聯カードのほとんどは、クレジットカードではなくデビットカードです。

デビットカードは簡単に言えば、銀行口座に紐づけられた即時決済可能なカードのこと。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

ちなみに中国では、貧富の格差によって誰でも気軽にクレジットカードを作れるわけではわりません。

クレジットカードを作れるのは一部の富裕層だけなんです。

またクレジットカードを普及させるには与信審査が必要になりますが、中国ではまだそのシステムが完璧には整備されていません。

そのため、使った分だけ即日決済できて審査がいらないデビットカードが主流になりました

銀聯カードが登場した背景

歴史

現在、便利な決済手段として普及しているUnionPayですが、その登場した背景には何があったのでしょうか?

実は銀聯カードが作られたのは、当時中国の金融機関が抱えていた欠点が原因なんです。

元々中国では、それぞれの金融機関によって残高照会や振り込み、引き出しなどのシステムがバラバラでまったく統一されていませんでした。

さらに同じ金融機関であっても、地域が異なれば取引ができないという非常に不便な問題もありました。

そこでカード産業の活性化や利便性を上げるために、中国人民銀行の主導で中国80強の金融機関が連合し、Union Payがスタートしました。

日本でもUnionPayを導入するお店が増加中

銀聯のロゴ

最近は日本でも、UnionPayを導入しているお店が増加しています。

上記画像にもある「赤・青・緑のロゴマーク」が銀聯カードを使えるお店の目印です。

加盟店が増加している理由は、中国人観光客が日本で快適にお買い物できるように推し進める「インバウンド対策」です。

また銀聯国際によると、銀聯カードによって活気づいているのは有名な観光地や主要都市だけではありません。

例えば人気映画やアニメの影響で、空港などにあるリムジンバスよりも、地方の交通バスの方が銀聯カードの取り扱いが上回ったという事例があるそうです。

2020年の東京オリンピックに向けて、日本の主要都市だけでなく地方にもさらなる普及が見込まれるでしょう。

銀聯カードのメリット

それでは続いて銀聯カードのメリットを紹介します。

もちろん銀聯カードは中国発のカードなので、中国や他のアジア諸国だと特に利用しやすいです。

しかし日本国内でも、しっかりと優待サービスを受けられます。

銀聯カードのセキュリティは強固

かぎ

銀聯カードのクレジットカードは、決済時にパスワード6桁とサインの記入が必要です。

そのため安全性が高く、不正利用されにくい厳重なセキュリティになっています。

ただし、クレジットカードの暗証番号で6桁というのは少し違和感を感じますよね。

「あれ?6桁なんて指定したかな?4桁しか知らない」という方もご安心ください。

暗証番号は数字の00+指定の4桁です。

暗証番号については、後述する銀聯カードの使い方ガイドでもう一度詳しく解説しますね。

中国国内での決済がスムーズに行える

支払いをする男性

銀聯カードは、現金払いよりもスムーズに決済できます。

現金決済の場合であれば、中国の最高紙幣は100元(2018年現在1元=約17円)=1,700円なので、高額なお買い物の際には大量の紙幣を持ち歩かなければないけません。

また、それだけの札束を持っていると強盗に対する用心が必要になるだけでなく、中国では偽札が多いため紙幣のチェックにも時間がかかります。

それらの手間も銀聯カードなら、一気に解消し円滑な決済が可能です。

中国だけでなくアジアや欧州でも使える

アジア諸国

特別行政区である香港やマカオのほか、韓国やシンガポールなど、中国以外のアジア諸国でも銀聯カードは利用可能です。

特にカード決済が盛んな韓国では7大ブランドの内、銀聯カードが最も多く扱われています。

これは日本と同様に中国人観光客の誘致が目的のようです。

さらに銀聯カードはアメリカや欧州各国でも加盟店を拡大し続けています

パリのミシュランガイドに掲載されているレストランや、マダムタッソー、ルーブル美術館といった有名な観光地でも利用可能です。

いつか世界中を回るのには「銀聯カード一枚で事足りる」という時代が来るかもしれませんね。

日本でも銀聯カードで優待サービスを受けられる

ショッピングする女性

日本国内でも銀聯カードを使って、お得な優待サービスを受けられます。

この優待サービスは、主に中国人観光客のために用意されたものですが、銀聯カードを持っていればもちろん日本人でも利用可能です。

日本で受けられる優待の一例
ヨドバシカメラ銀聯カードの利用で5%OFF2018年12月31日まで
阪急・阪神百貨店銀聯カードの利用で5%OFF2018年12月31日まで
東急百貨店指定のカウンターで銀聯カードを提示すると来店プレゼントと5%OFFクーポンがもらえる2018年2月15日 ~ 2019年1月10日まで
JAL DUTY FREE1会計あたりの利用金額が1万5千円以上で銀聯カードを使うと5%OFF2018年5月1日 ~ 2019年2月28日まで

これらは銀聯国際の公式サイトにある優待情報で確認できます。

ちなみにロシアでは、バーガーキングのチキンバーガーが全品50%OFFという優待がありました。

日本でもぜひ使えるようになってほしいです(笑)。

銀聯カードのデメリット

銀聯カードにはいくつかの注意点が存在します。

発行した地域の銀聯カードによって、その内容は異なるため気を付けましょう。

日本で作った銀聯カード(クレジットカード)はキャッシング未対応

困惑する3人の大人

日本で発行した銀聯カード(クレジットカード)はショッピング専用です。

そのため日本国内だけでなく中国や他国に行った際には、キャッシングが使えないので注意してください。

ちなみに中国で現金を用意するには、日本で発行できるデビットカードを使って現金を引き出すか、他の国際ブランドのクレジットカードでキャッシングする方法があります。

キャッシングについては詳細は、こちらの記事をご覧ください。

ショッピングの支払回数は1回払いのみ

貧乏

日本で発行できる銀聯カード(クレジットカード)の支払回数は1回払いのみです。

2回払いやリボ払いは利用できませんので、利用限度額等に注意してください。

海外での利用の際は1回払いでも対応できるように、限度額の一時引上げを要請するなど事前にカード会社に相談しておくのがおすすめです。

ちなみに銀聯カードを追加カードとして発行した場合、ショッピングの代金は持っているクレジットカードの利用代金と合わせて請求されます

中国外でATMから引き出せる金額に制限がある

鎖のついたおもり

最後にご紹介するデメリットは、中国で発行されたデビットカードの場合です。

中国在住者は政府によって海外への現金は持ち出し制限がかけられています。

中国人観光客が海外で現金ではなく銀聯カードを使うのはこの制限があるためです。

そのため、中国国内の口座と紐づいた中国発行の銀聯カードは、日本を含む海外でATMからお金を引き出そうとすると以下の制限がかかります。

  • 1日に引き出せる制限:カードを何枚持っていても1万元(約17万円)まで
  • 年間で引き出せる制限:カードを何枚持っていても年間10万元(約170万円)まで

さらに日本のATMでは、海外発行カードの引き出し額が1回につき約5万円(セブン銀行のみ10万円)に設定されています。

これは不正な引き出しを防止するために仕方ないのですが、ちょっと不便ですよね。

2018年には制限がカード単位から所有者単位になり、カードをいくら持っていようと1人が1年間で引き出せるのは10万元までになってしまいました。

仮にそれを超えてしまった場合、残念ながら次の年は利用停止させられてしまいます・・・(泣)。

日本の加盟店でも銀聯カードは使えるので、余裕が無い場合はカード決済で乗り切りましょう。

銀聯カードの種類

それでは銀聯カードの種類を3つご紹介します。

デビットカード

中国で発行されている銀聯カードのほとんどはデビットカードです。

デビットカードは与信審査がなく、支払い時には即時決済ができます。

カードを発行するには中国銀行の口座を作る必要がありますが、今では規制が強化されて外国人が発行するのは難しくなっています。

しかし日本にある中国の銀行の支店なら、中国に行かずに発行の申請ができます

クレジットカード

既に持っているクレジットカードに追加発行するか、または単体で申し込めます。

ショッピング専用のため、キャッシングができないことに注意してください。

システムや決済の方法は他のクレジットカードとほぼ一緒ですが、暗証番号が6桁など特殊な点があります。

カード使用時の注意事項は、後述する「銀聯カードの使い方ガイド」でもう少し詳しく解説しています。

プリペイドカード

事前に入金して利用する前払い式の銀聯カードです。

現地での現金引き出しや銀聯カードの加盟店でショッピングができます。

こちらも日本国内で発行できますが、利用は海外専用になります。

銀聯カードを作るには

銀聯カードに興味を持ってくれた方のために、日本での発行方法を簡単にご紹介します。

日本のカード会社から発行する

クレジットカードを持ってパソコンに向かう男性

銀聯カードは、基本的にクレジットカードの追加カードとして発行できます

三井住友銀聯カード以外は単体で申し込むことはできませんので注意してください。

以下のクレジットカードを持っていれば追加発行が可能です。

  • ANA カード
  • 三井住友カード
  • 三井住友プラチナカード
  • 九州カード
  • MUFGカード

三井住友プラチナカードであれば、年会費や発行手数料なしで「三井住友銀聯プラチナカード」を発行できます。

日本にある中国銀行の支店で発行する

窓口

こちらはデビットカードの発行方法です。

銀聯カード(デビットカード)は中国銀行の口座を作る必要があります。

発行にあたってわざわざ中国に行く必要はなく、日本にある中国銀行支店で発行可能です。

  • 中国銀行(BOC)
  • 中国工商銀行(ICBC)

ちなみに預金保険は適用外となるため、中国国内や海外で現金を引き出す際は手数料が必要になります。

銀聯カードはこんな方におすすめ

続いてどんな人に銀聯カードが向いているのかを考えてみました。

銀聯カードは日本でも優待サービスを受けられますが、中国や韓国などのアジア圏に行く人は特におすすめです。

留学・出張・旅行で中国に長期滞在する方

スーツケースを持った女性

中国に出張や旅行、留学で長期滞在すると必然的に現地でお買い物をする機会が多くなります。

そのような場合は、現金で支払うより銀聯カードがあったほうが便利です。

前項でもお話しましたが、現金には偽札対策の手間や盗難の危険性が伴います。

銀聯カードを持っていれば現金より気軽に決済でき、公共の交通機関や地元のスーパーでも活躍してくれるでしょう。

長期間の滞在でないにしても、たくさんお買い物をする予定があるなら、ぜひ検討してみてください。

中国の地方エリアへ行く方

桂林

中国の主要都市であれば、UnionPayと同様にVISAやMasterCardなどのクレジットカードを利用可能なお店は多いです。

しかし中国の地方都市や小さなお店になるほど、現金か銀聯カードしか使えない可能性も高まります

これは銀聯カードの圧倒的な知名度に加え、他の国際ブランドよりもUnionPayのほうがお店の負担する手数料を安く抑えられるのが理由です。

もしもの時のために現金と銀聯カードを両方用意しておけば、「お買い物したいのに支払えない!」という最悪の事態を避けられます。

中国以外のアジア諸国に行く方

中国以外にもアジア諸国に行く場合は銀聯カードがあると便利です。

特に香港、マカオ、モンゴル、キューバ、アラブ首長国連邦ではクレジットカードを取り扱う店舗の100%が銀聯カード決済を受け付けています

他の地域では北東アジアや東南アジアが70%、アメリカは80%、欧州では半数以上で銀聯の受け入れが実現している状況です。

また、銀聯国際ではアジアでの旅行をより楽しんでもらうために「#アジタビ部」を企画しています。

アジタビ部

アジア旅、略して”アジタビ”の楽しみ方を発信する部員を募集します!

ご自身で行かれたアジア旅や、UnionPay(銀聯)が企画するアジア旅へご参加いただき、その様子をご自身のSNSでハッシュタグ「#アジタビ部」を付けて発信していただきます。

参照:# アジタビ部

これはアジアの旅の魅力をSNSで発信するもので、参加者には抽選でトラベルギフト券がプレゼントされます。

さらに現地で銀聯カードを使い魅力を一緒に発信すると、年に1~2回の開催しているアジアツアー参加のチャンスもゲットできます。

中国以外の国にも行く予定がある方にも、銀聯カードは魅力的な1枚と言えるでしょう。

銀聯カードの使い方ガイド

マニュアル

基本的な使い方は他の一般的なクレジットカードとあまり変わりません。

  1. UnionPay加盟店で会計時にカードを提示
  2. 金額を確認の上、6桁の暗証番号(00+指定した4桁)を入力し実行キーを押す
  3. 売上表にサインを記入
  4. お客様控えを受け取る

銀聯カードで特殊なのは6桁の暗証番号が必要なことです。

いざ、お買い物をするという時に「6桁も暗証番号を登録したっけ?」となって決済できなかったら元も子もありません。

どのカード会社(日本)で発行した銀聯カードでも00+指定した4桁の暗証番号とサインが必要です。

ちなみに中国国内で発行する銀聯カードは、最初の数字を00以外の暗証番号に設定できます。

主な日本のUnionPay加盟店

中国で使いやすいカードとは言え、せっかく銀聯カードを作ったなら日本でも使える場所を知っておきたいですよね。

そこで、日本でUnionPayに加盟している主なお店の一覧をまとめてみました。

主な日本の銀聯カード加盟店
家電量販店ヨドバシカメラ
ソフマップ
上新電機
エディオン
ビックカメラ
コジマ
ヤマダ電機
コンビニセブンイレブン
ローソン
ファミリーマート
ミニストップ
サークルKサンクス
百貨店京王百貨店
近鉄百貨店
大丸松坂屋百貨店
阪急百貨店
阪急メンズ
阪神百貨店
小田急百貨店
高島屋
三越伊勢丹
宿泊施設帝国ホテル
ホテルオークラ東京
京王プラザホテル
天保山マーケットプレース
ザ・ペニンシュラ東京
ホテルニューオータニ
阪急阪神ホテルズ
グルメかに道楽
かごの屋
かっぱ寿司
叙々苑
すたみな太郎
グリルみその
がんこフードサービス
ATMゆうちょ銀行
セブン銀行
イオン銀行
SMBC信託銀行
三菱UFJ銀行
三井住友銀行
みずほ銀行

今後は、中国人観光客の旅行形態が団体旅行から個人旅行に変わっていくと予想されます。

そのニーズに合わせて、より多くの交通機関や個人経営のお店でも銀聯カードが導入されていくことでしょう。

余談ですが銀聯国際によると、コンビニではすでに90%以上で銀聯カードが利用可能になっているそうです

Amazon(アマゾン)でも銀聯カードを使えるようになった

今までは、日本で発行されている銀聯カードはAmazonで使えませんでした。

しかし2018年現在では、Amazonでも銀聯カードの利用が可能になっています。

これは世界66の国と地域に商品を直送する「Amazon Global」のサービスを拡充するのが狙いのようです。

銀聯カードを使うアジア圏ユーザーの需要に応えた形になりますね。

銀聯カードのまとめ

さて、今回は中国発の国際ブランド「銀聯カード(UnionPay)」について解説してみました。

銀聯カードは総発行枚数や決済額など、凄まじい勢いでシェアを伸ばしているカードです。

東京オリンピックや中国人観光客の需要に合わせて日本でも加盟店がどんどん増えているため、今後益々シェアの拡大が予想されます。

中国渡航の多い方もそうでない方も、銀聯カードでお得なショッピングを楽しんでみてはいかがでしょうか?

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